2016年8月15日月曜日

社交不安障害 診断基準

アメリカの診断基準 DSM-5 最新版




まず、次の項目の中に該当するものがあるかどうかを見てみてください。


A. 他者の注視を浴びる可能性のある1つ以上の社交場面に対する、著しい恐怖または不安。例として、社交的なやりとり(例:雑談すること、よく知らない人に会うこと)、見られること(例:食べたり飲んだりすること)、他者の前でなんらかの動作をすること(例:談話をすること)が含まれる。
注:子どもの場合、その不安は成人との交流だけでなく、仲間達との状況でも起きるものでなければならない。

B. その人は、ある振る舞いをするか、または不安症状を見せることが、否定的な評価を受けることになると恐れている(すなわち、恥をかいたり恥ずかしい思いをするだろう、拒絶されたり、他者の迷惑になるだろう)。

C. その社交的状況はほとんど常に恐怖または不安を誘発する。
注:子どもの場合、泣く、かんしゃく、凍りつく、まといつく、縮みあがる、または、社交的状況で話せないという形で、その恐怖または不安が表現されることがある。

D. その社交的状況は回避され、または、強い恐怖または不安を感じながら耐え忍ばれる。

E. その恐怖または不安は、その社交的状況がもたらす現実の危険や、その社会文化的背景に釣り合わない。

F. その恐怖、不安、または回避は持続的であり、典型的には6カ月以上続く。

G. その恐怖、不安、または回避は、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

H. その恐怖、不安、または回避は、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない。

I. その恐怖、不安、または回避は、パニック症、醜形恐怖症、自閉スペクトラム症といった他の精神疾患の症状では、うまく説明されない。

J. 他の医学的疾患(例:パーキンソン病、肥満、熱傷や負傷による醜形)が存在している場合、その恐怖、不安、または回避は、明らかに医学的疾患とは無関係または過剰である。
 (「日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋 三郎・大野 裕(監訳):DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル.200-201,医学書院,2014」より抜粋)





人前で自分が何かを言ったり行ったりすることによって恥ずかしい思いをするのではないかという強い恐怖。

失敗することや、人から見られること、評価を下されることがいつもとても怖い。

恥ずかしい思いをするのではないかという恐怖のために、やりたいこともできないし、人と話をすることもできない。

人と会わなければならないときは、その前に何日間も何週間も悩む。

知らない人と一緒にいるときに、あるいはその前に、顔が赤くなったり、たくさん汗をかいたり、震えたり、吐きそうになったりする。

学校行事や人前で話すような状況など、人とかかわる場を避けることが多い。

これらの恐怖を追い払うために飲酒をすることが多い。


どんな人でも、程度の強弱や時間の長短を問わなければ、これらの項目の一つくらいは該当したことがあるのではないでしょうか。

例えば、

自分のキャリアを左右するような重要な会議の前に、
「失敗しるのではないか」
「能力がないことを見破られるのではないか」

と心配するのは正常なことです。

また、予習をしていない授業で、
「先生に当てられたらどうしよう」

とドキドキするのも正常なことです。

ずっと憧れてきた人とデートする前には、何日間も悩んで、自分がどう見えるだろうかということばかりを考えるかもしれません。

それらは正常な反応であり、病気ではありません。


むしろ、不安を感じるからこそ、必要な準備をする気にもなるわけですし、不安の存在意義である「安全の確保」は、そこにあります。

※不安本来の存在意義である「安全の確保」については、以下の「不安は自己防衛能力」を読んでみてくださいね❣
 「不安は自己防衛能力

不安が健康な範囲で機能している限り、それはいわゆる「ポジティブなストレス」と言われるものになるでしょう。

安全であるけれども退屈な毎日を送るのではなく、適度な緊張に自分をさらすことが人生の刺激になると考えている人は多いと思います。



不安障害は、不安の「質の問題」ではなく、「程度の問題」です。

ですから、

これらの項目のどれか一つが時々当てはまるからと言って、社交不安障害だということではありません。


社交不安障害という診断が当てはまる人は、そのような不安が日常のほとんどの領域におよび、毎日続くというふうに考えていただくと分かりやすいと思います。




最後に


社交不安障害を持つ本人は、自分の不安が合理的なものではないということを自覚しています。

だからこそ、辛いのです。

もしも心から自分の不安が妥当なものだと信じることができれば、社交不安障害特有の苦しみはなくなると思います。

「不合理な不安に捉われて社会生活に支障をきたしている自分についての情けなさ」も、社交不安障害の苦しみの重要な要素だからです。

そんな自分を、

「弱い」
「自意識過剰」
「どこかおかしい」

と感じてしまうのです。

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