「本当のつながり」と「ニセのつながり」
「つながり」は、今や時代のキーワードであるとも言えるでしょう。
SNSという、「つながるツール」が流行っていることも背景にありますが、「つながり」という言葉を多く目にするようになったのは、東日本大震災からかもしれません。
「絆」という、それまではあまり使われていなかった言葉がよく使われるようになりました。
「つながり」重視の姿勢は、もちろん震災後のつらい人たちを励ます効果もあったのは間違いないのですが、同時に、人々の心に、いろいろな思いを残しました。
あるクライエントさんが私に言ったのは、
「つながれる人がいない孤独な私は、死ぬしかないのでしょうか?」と。
「絆」と言われると、「つながれ」と強制的に言われているような気がして、極めて不愉快・・・ということだった。
私は、「つながり」という概念をとても大切に思っていますが、これらの話を聴くと、「つながり」という言葉は、きちんと定義づけて使わなければ、諸刃の剣になってしまうと感じた。
「ニセのつながり」とは、「形」ばかりがつながっていて、「心」のつながりが感じられないもの。
一方、「本当のつながり」とは、「形」のつながりとは関係なく、「心」のつながりが感じられるもの。
いつも群れているけれども、嫌われないように必死、という友達関係は、「ニセのつながり」と言えるでしょう。
あるいは、恋人の意に反して束縛するのも、「ニセのつながり」。
一方、あまり会わないけれども心から信頼できる友達は、「本当のつながり」、恋人と会っていないときにも愛を感じられるのは、やはり「本当のつながり」だと言える。
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